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物流時報



日本郵船、川崎汽船といった世界有数の海運大手数社が公正取引委員会から独占禁止法違反で課徴金納付命令を課されるというニュースが流れた。

舞台は主に欧州、北米に配船している自動車専用船で2009年から複数年に亘り海運各社が運賃を話し合いで決め、荷主に提示していたと疑われている。

2009年といえば、まさにリーマン・ショックの翌年で、アメリカは景気が急激に悪化、自動車を含めて需要が大幅に落ち込んだ時である。

株価も下がり、不動産価格も下落し、自動車販売も急ブレーキがかかった年である。

販売が減速すれば当然、輸送する完成車の輸出も減る。完成車を運ぶための自動車専用船は、需要減からスペースが空いてくる。そうなると開いたスペースを埋めないと収益が悪化するので、運賃を下げて営業攻勢をかける。そして運賃攻勢が運賃競争を呼び、運賃は下落一方となるのである。

2009年は自動車業界だけでなく、海運会社にとっても非常に厳しい年であったことは事実である。
同じ海運界の中のコンテナ船事業を見ても、2008年と2009年とでは、平均運賃が格段に違っている。

日本海事センターの資料によると荷動き量で15%減、運賃で30%下落している。自動車船の運賃もかなり落ち込んだものと思われる。

どこの会社がリードし、どのような経緯で今回問題となっている運賃の談合が行われたのかはこれからの調査結果を見ないと判断できないが、5社で220億という課徴金は決して小さな金額ではない。

しかも今後、北米、欧州でも調査が入るといわれている。日本だけでなく、他の国でも課徴金がでるとなると事は深刻である。 そしてこの調査が自動車専用船事業だけに留まればよいが。

かつて自国の自動車業界を保護するために完成車の輸入を厳しく制限したアメリカ。現在日米などが進めているTPPでは、自動車の関税引き下げも交渉の対象になっている。

交渉の進捗次第では今後更に完成車の輸送は伸びる可能性が期待される。そうしたプラスの要因を前に、今回の公正取引委員会の課徴金納付命令に対しての各社の対応が注目される。



















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