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物流時報




世界有数の海運会社である日本郵船、川崎汽船を含む複数の会社が自動車専用船での海上輸送において話し合いによる不正取引で運賃を取り決め各荷主に提示したとの疑いで、日本の公正取引委員会が課徴金の納付命令をだしたと前述した。

その背景には2008年アメリカで起きたリーマン・ショックの影響で特に北米、欧州での自動車販売に急ブレーキがかかり、2009年には各自動車専用船の輸送実績が大きく減少したことに起因している。

自動車専用船各社は急激な輸送量の減少とそれに伴う、運賃の下落という2重苦に苦しんでいた。経営を悪化させる運賃の下落だけは食い止めたいと関係各社が互いに話し合いをもったものと思われる。

実際どれくらいの落ち込みが生じたのか、2013年に日本郵船が発行したNYK レポート2013に担当役員である力石晃一本部長の取材内容に掲載されているので引用です。

「日本からの輸出台数は伸び悩んでおり、リーマン・ショック後の2009年は2008年のほぼ半分となる約360万台となり、2010年は450万台と改善しましたが、2011年には再び400万台へ下落しています。東日本大震災、そして円高影響による海外生産シフトが影響したためです。」

日本郵船の単独の実績としては2007年が約360万台、2008年は約330万台、そして2009年には240万台まで落ち込んでいる。2009年の総輸出台数が360万台であることから、その3分の2である240万台を日本郵船単独で輸送したことになる。 360万台から240万台に減少、約33%の大幅減である。しかも同社が全輸送実績に占める日本郵船の割合か67%である。今回の220億から230億の課徴金のうち、約3分の2に相当する135億の課徴金が日本郵船に課された背景には、それ相当の輸送実績があったものと思われる。

NYKレポート2013には、日本郵船グループのCSR活動が紹介されている。

そこに記載されている取引先に対するCSRガイドラインの中に

2.公正な取引の項目があり、
すべての地域において公正、透明、自由な競争ならびに適正な企業活動を行い、より良い地球社会の実現に貢献する。

3.信頼構築の項目では公平かつ透明な取引と法令及び社会規範の遵守により、相互信頼関係を構築する。とある。

今回同社が起こした不祥事は残念ながら同社自らが作製したCSRガイドラインを破っただけでなく、同社と取引をしていた荷主、関係各社、そして関係者の信頼を裏切ることとなり著しく信頼関係を損なう結果となったことを意味する。

ガイドラインの第一項に

1.法令遵守 企業は社会の一員であることを自覚し、正義と公正を旨として、法令遵守はもとより、地域の善良な文化や慣習を尊重し、善良なる社会倫理規範にもとることのない企業活動を遂行する。
とある。

同社の信頼回復への取り組みを注視したい。

このことは日本郵船の負の側面を浮き彫りにしてはいるが、それをもって同社のすべてを評価するのは早計である。

同社が世界海運のリーディングカンパニーとして現在取り組んでいる環境保護への壮大なプロジェクトを次号で紹介する。


















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