ゼポ社の発表によると10月のアジア、北米東航のコンテナ実績は前年比11.2%と大幅に増加しているという。 コンテナの7割は西海岸に上がることを考えると10月の西海岸の取扱はそれに比して大幅に増加しているものと思われる。 詳細は各港の報告を待たなければならないがロサンゼルス、ロングビーチとも増加していることは間違いない。 こうしたコンテナの増量が港の運営に与える影響は計り知れない。シャーシーの不足、スペースの不足、 加重労働への反発など、オペレーションが麻痺に陥る可能性も否定できない状況である。 既報のように11月も引き続きコンテナの輸入量は衰えていない。ノーマルオペレーションへ戻るまではまだすこしかかる見込みである。 そうしたなか、世界一のコンテナ会社であるマースクラインが今年の第3四半期のレベニューを発表した。 予想とおり大幅な利益を計上している。 今回の利益経常に貢献したのは、勿論、満船状態での運行もさることながら、顧客の運賃の見直しをしたことも大きいといわれる。 従来北米航路は、ウォルマートのFOB運賃が一つの指標になるといわれる。今年は年3%の実績アップと予想していた各船社はスペースの増強もあり、あまりスペースタイトを予想しておらず、ウォルマート主導で運賃が決られた。しかし、マースクラインはウォルマートの荷物を取り扱わないとし、自社独自で運賃を設定、比較的高めの運賃設定をしているという。 3月以降、北米東航の荷動きは活発で満船状態が続いた結果、レベニュー重視のマースクラインは ウォルマート運賃といわれる業界最安値の値段に左右されることなく、レベニューを上げることに成功したといわれる。 来年、TSAは運賃に最低運賃を導入するという。今年の反省にたって、運賃をしっかりと修復するという。 今年同様貨物が大幅に増えるとの見込みを前提としている。 その意味で、今西海岸で見られるオペレーションの鈍化は顧客との信頼関係を更に悪化させることになる。一日も早い解決が望まれている。 |