7月31日、川崎汽船は同社の100%子会社である北米のコンテナターミナル会社であるITS (International Transportation Service, Inc)社の株式の30%をアメリカのターミナル運営会社であるポーツ・アメリカに売却すると発表した。 コンテナ船の大型化・効率化への対応を進めるため、北米最大のコンテナハンドリング会社との連携をすることになったという。 ITSは1971年に設立、1972年から社長を務めた弊社SHIPFANの名誉特別顧問である浅見紳太氏はこの発表を複雑な思いで聞いたという。 ファザーオブオンドック(オンドックの父)という称号をロングビーチ港湾局より授与されるほど、港と内陸輸送の効率化の柱として進めたオンドックダブルスタックトレインを最初の導入し、ロングビーチの港湾の 整備にも尽力した同氏にとって見れば株式の譲渡は人事ではないのである。 今回の決定の背景には、勿論、コンテナ船の大型化という前提はある。確かに共同配船する商船三井が 10000TEUSの船を北米西岸に投入するとの発表もあり、西海岸10000TEUS時代が開かれようとしている。 受けてであるITSとしては大型化に耐えうるターミナルの整備、運営は必須の事項であろう。と同時に コンテナビジネスが親会社にとっても大きな負担になっていることの事実であろう。 また、未だに結着に至っていない西海岸の労使交渉後の負担軽減を想定しての決定であろうか? 労使交渉の結果如何では、他のコンテナ会社もコンテナビジネスからすこしづつ距離をおく会社が出てくる可能性がある。 今後の動きに注視したい。 |